拝啓、親愛なるYGGオーナーズクラブへ

競走馬ドライスタウトを偲び、種牡馬ドライスタウトを愛おしむ

偲ぶ(しの・ぶ):懐かしい気持ちで思い出す
愛おしむ(いと・おしむ):かわいく思って大事にする。

 ドライスタウトが無事に種牡馬入り。12月28日にスタッドイン。10戦6勝…いや8勝っていいたかったけどな。すばるSとかきつばた記念…。重賞3勝といえどもまだ底を見せておらずG1級の器だと関係者以外も言うほどの馬。もちろん、脚さえ無事なら間違いなくもっと勝ち星を量産できたと断言しよう。まだまだ先を見たかったし、更なる高い評価を得られるだけの走りを もっと見ていたかった。それだけに道半ばでの引退が無念でならない。そんな「競走馬」ドライスタウトを偲ぶ。

 競走馬ドライスタウト。2歳9月。中山で岩田望騎手の投票も除外。中京12を福永騎手でデビュー。極悪馬場になるも差し切って勝利して福永騎手の2500勝メモリアル。続くオキザリス賞では戸崎騎手にスイッチするとカラ馬が出るレースながらも完勝。2戦2勝で全日本2歳優駿を迎えると1.8倍でついに1番人気。こちらも1分40秒を切るスーパーレコードで圧勝。牧浦師は初G1級競争勝利。
 正直平穏無事に走れたのはここまでで、大型馬の長期休み明けで園田の欠陥コース1870の大外枠で滑って痛めて4着。JDDをこの影響で回避すると11月古馬混合霜月Sまでスキップして休み明けを勝利。すばるSは口取り当たって確実だと思っていたが川田騎手の徹底マークを捌けず2着。フェブラリーも坂井の徹底マークにあって4着。かきつばたは後のJBCクラシック馬ウィルソンテソーロ相手に2.5kgも余計に背負う展開でまた川田騎手の2着。勝てない日々が続くも得意な湿った馬場で迎えたオーバルスプリントでは地方総大将スマイルウィを負かして久々の勝利。武蔵野Sでは中央重賞初制覇をかけて横山武騎手にスイッチ。ハイペースを読んだ鞍上のナイス騎乗で抜け出すと後のJBCスプリント馬タガノビューティーを子ども扱いして重賞連勝&3勝目。そして今度こそと意気込んでいたフェブラリーを迎える前に、根岸Sに向けた調整の中で屈腱炎。1年休養の後再度屈腱炎で引退。まさに「無事ならどれだけの馬になっていたか」と言わずにはいられない、波乱の多い競走馬生活を送った。本当にお疲れさまと言いたいし、それでも次の仕事が待っている。
 夏は恒例のキャロットツアーで今回も北海道に行く予定なので、これまでは日程とか場所とか宿泊地とかの問題で行ったことはなかったけど…2025年は絶対にブリーダーズSSに行こう。

 種牡馬ドライスタウト。 12月28日ブリーダーズ・スタリオン・ステーションに種牡馬入り。現在では受胎条件800万円の父シニスターミニスターの後継ではインカンテーション、テーオーケインズに次ぐ3頭目の重賞勝ち馬。おそらくキングズソードが4頭目として入ることになるだろうけど、明確に~1600mまでとしてスピードが強調される種牡馬という強みがドライスタウトにはある。受胎条件100万円は思っていたよりも評価されたなと感じていて、素質や母系の確かさに加えてこの短距離向きのスピードも評価された結果とみている。
 なんとなくライバル感のあるヘニーヒューズ産駒セキフウは受胎条件30万円で22頭。同じシニスターミニスター産駒で18~のG1級競争3勝のテーオーケインズは受胎条件250万円で94頭。100万円のドライスタウトは初年度70頭~80頭とみる。父はシニスターミニスターで、SeattleSlewだとかA.P.INDYがどうかとかはもう論ずるまでもない。父父のOldTriesteはあまりにも地味すぎる馬だけど確認できるだけで6頭の日本持ち込み産駒から重賞勝ち馬マルターズヒート、OP勝ち馬トーヨーエーピーが出ていて、芝で走っている。ダートと芝でも日本適性がある父系だと言える。父父のA.P.INDYと父母にあるDeputyMinisterがSS系に相性がいいことも、SS持ち牝馬を付ける上で好印象だろう。
 母系はフジキセキを経由するSSを持っていて、ダートニックスのフジキセキ×DeputyMinisterを内包している。母父はアフリートで、こちらもOldTriesteと同じように日本でも活躍していて、フィリーズレビューとフローラステークスを勝ってオークスでも2着になったゴールデンジャックが活躍し、その土産を持って日本にスタッドイン(繋養先ブリーダーズSS)。G1はプリモディーネのみとはいえクラシック馬を輩出。そのほかビッグウルフやスターリングローズ、バンブーエールを輩出し日本ダート適正も証明し、母父としてもドライスタウトをはじめゴライコウやノボジャック、ニシケンモノノフ等活躍馬を輩出。なんでも付けられる柔軟性。北米BoldRuler血統と日本サンデーサイレンス血統の融和。欧州系ともMr.Prospectorで迎え入れられる懐の深さ。ジェネリックシニスターミニスターでもあり、日本に必要なスピード性とダート3冠に必要な早期性も兼ね備えている。そして5頭産んでデビューした4頭はJpn1馬1頭、OP馬2頭、3勝馬1頭。今後マストバイアイテム系と言われる可能性すらある優秀な牝系とより取り見取りというほかない。

 ドライスタウトが付き合わざるを得なかった脚の問題は当然産駒にも影響するのではという懸念があるが、ブリーダーズSSからの評価と下河辺生産として期待できるだろうバックアップ。そしてダート界隈の盛り上がりとYGGの繁殖をつけまくるだろうことを考えて、そこから結果を出せばさらに増える。そんな好循環を期待したい。
 最後にYGG代表の言葉を。

”ドライスタウトは種牡馬にします。そして募集馬をドライスタウト産駒で埋めます(笑)”



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